新しい職場へと転職し、いよいよスタートする「最初の1ヶ月」。この時期特有の張り詰めた緊張感や、周りの顔と名前が一致しない焦り、そして1日の終わりに家に帰った瞬間、ドッと押し寄せる疲労感に頭を悩ませてはいないでしょうか。
特に、周囲の空気を敏感に察知し、調和を重んじる性質を持つISFJ(擁護者タイプ)で、なおかつ人見知りの気質がある人にとって、新しい環境に身を置くことは文字通り「修行」のような時間になりがちです。「早く職場に馴染んで役に立たなきゃ」「変な人だと思われたらどうしよう」と考えれば考えるほど、空回りして心がすり減ってしまいますよね。
結論から言うと、初めから周りと完璧に仲良くなろうとしたり、外交的な人の真似をしてハキハキと振る舞おうとしたりする必要は一切ありません。
今回は、30代で計量器メンテナンスという全く異なる業界から、未経験の就労支援の現場へとキャリアチェンジした私自身のリアルな失敗と葛藤のエピソードを交えながら、人見知りISFJが心を守りつつ、確実にとるべき「最初の1ヶ月の生存戦略」をお伝えします。
【実体験】「オープニングスタッフ」という名のアウェイ空間で孤立した話
ここで、私が新しく入社した職場で直面した、生々しい体験談をお話しさせてください。
私が配属されたのは、新しく立ち上がる就労支援事業所のチームでした. 「オープニングスタッフなら全員が同じスタートラインだし、人間関係もフラットで馴染みやすいだろう」と、最初は少し安心していたのです。しかし、現実は想像以上に過酷なものでした。
実際に職員の顔合わせをすると、メンバー構成は女性が3人、そして男性は私ただ1人。 それだけならまだしも、なんとその女性3人は全員が「就労支援や福祉業界の経験がとにかく豊富なプロフェッショナル」だったのです。
いざ業務の準備が始まると、彼女たちの間では「前の職場ではこうだった」「あの制度の解釈は〜」と、専門用語が飛び交うハイレベルな会話が自然なテンポで繰り広げられます。どういう意味か質問したくても、自分が発言することで「会話のテンポを止めてしまうのではないか」と躊躇してしまい、結局何も聞くことができませんでした。ただただ、会話の雰囲気から必死に内容を理解しようとするだけで精一杯だったのです。
笑顔でうなずくマシーンになりながら、頭の中では「自分はここにいていいのだろうか…」「完全に場違いな場所に来てしまったのではないか」という激しい居場所のなさを感じていました。
早くひとりになって心を落ち着かせたいのに、仕事を進める上では同僚とコミュニケーションを取るしかありません。「離れたくても離れられない」という心の拘束感に縛られ続け、家に帰ってからは無力感でただただボーッとしてしまう日々。まだ始まって1週間ほどの時期でしたが、本当に胃がキリキリと痛むようなアウェイ空間でした。
人見知りISFJがアウェイを生き抜く「5つの生存戦略」
このような絶望的な状況に置かれたとき、私たちはどうやって心を守り、職場でのポジションを作っていけばいいのでしょうか。私がこのリアルな葛藤の中で見つけ出した、具体的な5つのステップをご紹介します。
① 【防衛術】プライドを捨てて「下手(したて)」に出る
周囲が全員経験者で自分が未経験の場合、変に知ったかぶりをしたり、自分を大きく見せようとしたりするのは自爆行為です。ISFJの誠実さを活かし、最初から自分のこれまでの経歴をオープンにして「知識不足であること」を素直に伝えてしまいましょう。
「前職は全く違う分野で、福祉のことはまだ分からないことばかりです。しばらくご迷惑をおかけするかと思いますが、よろしくお願いします。」と下手に出るのです。感謝と謝罪の気持ちをベースに謙虚に学ぶ姿勢を見せることで、周囲の経験者たちも「じゃあ教えてあげよう」と親切にサポートしてくれるようになります。
② 【距離感】無理に会話に入らず「遠くから笑顔で聞く」
テンポの早い会話の輪に、無理に入り込もうとする必要はありません。会話を遮ってまで発言しようとすれば、かえってストレスが溜まります。
まずは一歩引いたところから、笑顔で話を聞くことに徹しましょう。「私は皆さんの話を好意的に、関心を持って聞いていますよ」というサインを表情やうなずきで示すだけで十分です。ISFJが持つ「場の調和を保つ力」は、ただそこに笑顔でいてくれるだけでも周囲に安心感を与えています。
③ 【発言の工夫】今の自分の経験値から「自分の考え」を話す
専門知識がないからといって、完全に貝のようになってしまうのはもったいないことです。知識で勝負できないなら、「自分のこれまでの人生経験や、客観的な意見として感じたこと」を素直に言葉にしてみましょう。
背伸びをした教科書通りの意見よりも、「自分のこれまでの現場経験から見ると、こういう時はこう感じることが多かったです」という等身大の言葉のほうが、結果として周囲の心に響き、独自の信頼感を生み出すきっかけになります。
④ 【心の持ちよう】「できないこと」を見ず「できること」を考える
周りの優秀なスタッフや経験豊富な同僚と自分を比べて、「あれもできない、これも知らない」と落ち込むのは時間の無駄です。
「知らないことを知ろうとする努力」をしていること自体が、すでに素晴らしい一歩です。過去の自分と比べて、今日新しく覚えたこと、今日できた小さな裏方仕事など、「今できること」だけに意識を集中させましょう。
研修のグループディスカッションで周りが言い出せないとき自ら考えを先に話して周りが話しやすい環境を作るなど努力をしてました。少し疲れますが、主張することで自分の存在をアピールしました。
⑤ 【プロの意識】支援の現場だからこそ「程よい距離感」を保つ
ISFJは相手の感情に共感しすぎるあまり、同僚やこれから出会う利用者さんに対して、心の距離を近づけすぎてしまう傾向があります。しかし、最初からベタベタと仲良くなろうとすると、後々人間関係で大きなエネルギーを消耗することになります。
「仕事としてお互いを尊重するけれど、踏み込みすぎない」という人との程よい距離感を最初から心がけること。これが、新しい職場でメンタルをすり減らさずに長続きするための最大の工夫です。
利用者さんにもスタッフにも人との程よい距離感が必要自分を大切にすることを優先にします。
まとめ(終わりに)
「5つの生存戦略」
【防衛術】プライドを捨てて「下手(したて)」に出る
【距離感】無理に会話に入らず「遠くから笑顔で聞く」
【発言の工夫】今の自分の経験値から「自分の考え」を話す
【心の持ちよう】「できないこと」を見ず「できること」を考える
【プロの意識】支援の現場だからこそ「程よい距離感」を保つ
新しい環境に馴染むスピードやステップは、人それぞれです。最初からハキハキと輪の中心になって目立つことができなくても、全く問題ありません。
「知らないことを知ろうとする努力」を怠らず、目の前の作業や裏方のサポートに誠実に向き合っているあなたの姿を、周囲の人は必ず見ています。
まだ新しい職場が始まって1週間やそこらの時期は、毎日が緊張の連続で、帰りの車の中や家でドッと疲れが出るかもしれません。でも、焦らなくて大丈夫です。できないことを数えるのをやめて、今できることを一つずつ積み上げていきましょう。1ヶ月が経つ頃には、あなたのその誠実な姿勢が、職場にとってなくてはならない信頼の土台になっているはずです。
そう自分に言い聞かせて日々頑張っています。(笑)

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